Bチームは、6名で、能登半島七尾市に行って参りました。当初は、被災地の見学だけの予定でしたが、現地で被災地支援活動に従事するNGO恊働センター増島智子氏のコーディネートにより、ほんの僅かですが、傾聴活動と足湯活動を実施することができました。
[活動状況]
7月4日、幸い天気に恵まれ、金沢駅前をレンタカーと自家用車の2台で7時半に出発、午前9時に中島地区のNGO被災地支援拠点に到着。支援物資配布センターを見学し、簡単な打ち合わせ後、目的地である近隣の仮設住宅地に向かいました。七尾市の外れにあるスポーツセンターの駐車場敷地に設けられた50戸規模の仮設住宅です。集会所が無く炎天下の屋外であり、テントを設営しなければ話をする場所も無い仮設住宅地。大手医薬品メーカーのボランティア団体が設営して下さったテントを利用しての活動。テントを立てボランティア全員が手分けして、一戸一戸の仮設に声掛けして廻るところから始まりました。
活動時間は、現地から金沢駅までの往復時間を除くと、正味で10時から14時で4時間ほど。11時過ぎからボチボチ70歳から90歳代の住民がテントを覗きに来られました。まだ仮設開設1か月なので住民同士のお付き合いもあまり進んでいない印象。仕事や用事で外出している住民もいる様子で、ご年配の住民十数人がお越し下さり、お茶会の席での傾聴活動となりました。お茶のあと、渡辺さんの足湯にも4名の方がご参加下さいました。女性は遠慮される方が多く男性主体の足湯でした。当初、恐るおそる腰掛けたが、始めるとすぐに皆さま気持ち良さそうな顔つきになり、リラックスして満足げなご様子。不安だった我々も来訪者の笑顔を見てホッとしました。
[気付いた失敗]
帰りの列車時刻や現地でのクルマ移動の時間の制約があり、他ボランティアグループにテント撤収作業をお任せして、途中退散の結果となってしまったことは、大変申し訳なく、とても心残りでした。今回は、実質半日限りのスケジュールしか取れなかったこと、また、参加者の移動手段の調整、現地での運営打ち合わせ、ドライバーを余裕持って配置ができなかったことなど、準備不足につきる様々な(初歩的な)失敗があり、問題点を気付かされる結果となりました。
能登半島の被災者の皆さまは、我々ボランティアに対しても、気遣いされる方が多いと感じました。愚痴もあまり口にせず、我慢強く辛抱しているような印象を受けました。善意でボランティアに来たのだから…と、我々が成果を持って帰れるようにと配慮して下さったのかな…そのような印象を受けました。70歳代から90歳代の温厚な方々でした。 ただ、それでも、話し相手が来たので…と、身の上話などもされ、気分転換できて喜んでもらえたのかな、そのような印象も持つことができました。
被災地では、想定外のことが多々あり、現地で柔軟に対応しなければならず、クルマ(ドライバー)が欠かせないことを改めて強く感じさせられました。忘れものを取りに行くとか、「お坊さん、すぐ来てお地蔵さん拝んで」とか。我々のお坊さんドライバー成井さんは多忙でした。時間に余裕も持って段取りを組み、臨機応変に動くことが要求されること、また、スケジュール変更も日常茶飯事であること、だからこそ、柔軟な対応が必要であり、そのためにしっかりした事前準備が欠かせないのだと強く思い知らされました。
[参加した感想]
被災地ボランティアは十数年ぶりの自分は、忘れていたことも多く、今回の活動では失敗からの気付きが多々ありました。その意味で、ご一緒させていただいた仲間、現地コーディネーターや他ボランティア団体の皆様、お気遣い下さった被災地の皆様に、深くお礼申し上げたいというのが、自分の率直な感想でした。この報告は、数多くの失敗の羅列となり、お恥ずかしい限りです。一方、今回のボランティア活動で得た経験は、自分らにとって成果だったと感じています。それは以下4点です。①活動実績を上げることも大事ではありますが、不本意な結果であったとしても、この経験を次に生かす機会を得られたこと ②被災者や活動関係者と僅かながらでも人間的な交流を行えたこと ③自分の目で見て少しは現地の実情や苦労を知ったこと ④現地理解を深めて帰るので、今後、正しい情報拡散を行い、被災者の心に寄り添った支援に役立つと思ったこと。
今後、現地の復興が、少しでも早く進むことを願ってやみません。
(11期生 矢木孝)